普段から博物館的な展示を見るときは小さな土偶とか、変な人形とか小さなモノに目がいきます。
小さいからカワイイというサイズ的な偏愛ではなく、小さなモノには変なものが多い。
そして、そのサイズ感に見合わない技巧が施されているものが多い気がするのです。
トラカイ城の展示の中で私がお気に入りだったのはパイプの展示コーナー。
パッとイメージする、あのマグリットなパイプではなく、
どちらかというとキセルっぽいのが多かったと思います。
細長いものというのは、どこかスレンダーな女性の体を彷彿とさせます。
ピカピカツルツルに磨き上げたパイプは、まるで美女のシルキーな肌のよう。
一日に何度も手にするものだからこそ、持ち主の好みが完全に具現化されているんでしょうね。
そんなパイプシリーズの中でも目を引いた直径6~7cmほどの小さなパイプ。
素材は象牙で、頭のターバン部分や着衣部分には精密な模様が彫り込まれています。
水パイプを持っているのでしょうか。トルコからやってきたカライメ人をデザインしたのかな。
台湾の国立故宮博物館にも象牙多層球という大変美しい作品がありますが、
それを彷彿とさせる素晴らしい技術に見入ってしまいました。
もう一つ、パイプコーナーの近くにあった印鑑シリーズ。
商用に利用していた印鑑なのだと思うのですが、これまた個人の趣向と欲望渦巻く作品ですよね。
右手にある二つはやはりカライメ人でしょうか。
そしてこの真ん中。実用性があるとは思えないオブジェのような印鑑。印鑑を持った手首の印鑑て。
左の二つはもう、言わずもがなですね。
お金持ちの男性の考えることは今も昔も変わらないんですね。
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